2009年9月30日水曜日

電動車椅子を作ろう その21 ~納品と試乗

昨夏、簡易電動車椅子が欲しいと思い立ち、以後約1年にわたって製作手続きを進めてきましたが、今年の7月末にようやく納品となりました。
自分の体に合わせてのオーダーメイド(=正確にはモジュール・オプション型)で製作したわけですが、約1年も掛かったのは、公費助成が絡んでいたのと過程に於いてトラブルがあったためです。
そんな長きにわたる道のりも、ひと段落してしまうと懐かしい思い出になるから人生不思議なものですネ(笑)。
これまでの道のりは日記に連載しておりますので、ぜひ一度眼を通していただければ幸いです。

さて、前置きが長くなりました。
気が付くと、車椅子の納品についてのお話を紹介しないまま2ヶ月が過ぎてしまいました。
車椅子が納品されたのは7月末、ベトナムへの出発を3日後に控えた平日でした。私は、旅行に車椅子を持参するつもりで航空会社などにも手配を掛けていたので、納品が旅行に間に合うかどうかヒヤヒヤしていました。このあたり、業者の担当Sさんもかなり気を揉んでいただいたみたいです。

納品はあっけなく行われました。
セッティングしてもらって、調整してもらって、試乗して、終わり、です。
後輪のドラム部分やフレームパイプのあちこちには保護用のビニールシートが貼り付けられており、いかにも新品という感じです。
乗るのももったいないような、でも、早く乗り回したいような・・・。まるで、新しい玩具を買ってもらった子供のように興奮していました。

次の日、旅行の準備に忙しいにもかかわらず、うちの娘を強引に誘って、最寄の図書館に行ってみることにしました。
片道1km弱といった道のりなので、試運転にはちょうど良い距離です。ひとりで行けないこともないのですが、やはりちょっと不安~。
図書館までの道は住宅街の中で、車の通りもほとんどなく絶好のルートです。

電動車椅子で走る(?)私の横を、娘は自転車で前へ行ったり後ろへ行ったりしながら付いてきてくれました。車椅子が走る様子がおかしいようで、くすくす笑いながらもじっと見守ってくれてます。
暑い日差しと風を感じながら街を走ったときの印象は、「けっこう遅いなぁ~」でした。これってホントに時速6km仕様なの?とまで疑ってしまいました。単調な住宅地を走っていると、速度が実感できずトロトロ進んでいるように感じます。ちょっとガッカリしつつ、図書館に到着しました。

図書館の中は、エアコンの冷気と図書館独特の静けさに包まれていました。
電動車椅子のまま進入してもうるさくはないんだろうか??と心配していましたが、思いのほか騒音はなく、音に反応して振り返る人はほとんど皆無でした。ただ、停止状態から動かすときに、カチンというクラッチが入るらしい音が気になるといえば気になるかと思えました。

館内ということで、最高速度のレベルを下げて移動していましたが、外で気になったこと、「ホントに時速6km仕様か」ということを確かめてみたくなり、広い場所を選んでトップスピードで走ってみたりしました。
すると、屋内では怖くなるような速さ~。ホントに6km仕様だったんですね(笑)。何度かサーキット・トレーニングを繰り返す私に、娘が「恥ずかしいから止めて~!」と言うまで遊んでました。

ちょっと満足して帰途に着きましたが、やはり外だとトロトロ感が否めません。人間の相対的な感覚というのはおもしろいものですね。
時速6kmというのは、普通の人がかなりの早足でせっせと歩くぐらいの速度がありますので、日常生活では十分な速度なはず。だけど、より速くを目指すのは本能なのか?
念のため、自宅に帰って品番も確認しましたが、たしかに6km仕様でした。
しつこい私です(笑)。

結局、この日の1時間ほどの試運転で、そのまま10日ほどの海外旅行へ持参してしまったわけです・・・。
無謀と言えば無謀な旅行計画。
しかし、色々と大変なこともありましたが、結果的には持参してよかった~です。
このあたりの詳しいお話は、また別の日記に譲りたいと思います。


さて、旅行に持参した時点では、実はまだ1銭も支払をしていなかったんです。
納品時に、自己負担分の請求書と振込用紙をいただいていたのですが、旅行直前だったこともあってそのままになっちゃってました。
請求書と引き換えに、役所の福祉課から「補装具費支給決定通知書」と共に送付されていた2つの書類をSさんに渡しました。
「補装具費支給券」と「代理受領に係る補装具費支払請求書兼委任状」の2点です。いずれにも私の署名と押印をしました。これらの書類を業者さんが役所に提出すると、公費が業者さんに支払われるわけです。
私のほうからは自己負担額を業者さんに支払うのみで金銭関係は決着します。

ただし、公費助成制度を利用している私には、最後にもうひとつクリアしなければならない手続きがありました。
納品された車椅子が、先に判定を受けて出された処方内訳書と一致しているかの確認を受けなければならないのです。車椅子の製作を最寄の医療機関などを通して行っていれば、その医療機関などの施設で「補装具適合判定」を受けて、所定のフォームの報告書を作成してもらって提出すれば済むのですが、そうでない場合は、判定を受けた上級庁(更生相談所など)で適合判定を受けることになります。
私の場合は、医療機関を挟まずにいきなり上級庁のセンターで「適」判定を受けていますので、今回の適合判定もいつものセンターで受けることにしました。

マイミクさんから、「いまけっこう混んでるみたいですよ」と言われていたので、旅行前に役所の福祉課に電話で予約依頼しておきましたが、案の定、最速でも8月末ということでした。旅行から帰ってきてのんびり予約を入れていたら、もっと遅くなっていたでしょう。
というわけで、1ヵ月後に適合判定を控えての旅行ということになったのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿