2020年9月30日水曜日

第一級アマチュア無線技士国家試験受験(R2年9月期)その6

 9/27に受験した1アマの国家試験の「法規」科目についても少し触れておこうと思う。

新問題てんこ盛りに思えた無線工学に比べて、法規のほうはほぼ例年並みだったように思う。法規は、A問題24問(配点各5点)とB問題6問(配点各5点、ただし小問各1点)で、無線工学と同じく合計150点、合格ラインは105点である。

私は無事に満点で切り抜けることができた。

最初のA-1は「免許を要しない無線局」に関する問題で、いきなり数字を解答させられるので一瞬ひるんでしまうが、これは問題集に掲載されているものと同じだった。以後、いずれの問題もおおむね見覚えのあるものばかりで、安心して進めることができた。試験勉強でときどき間違えた、「適合する」「適合しない」のどちらを聞かれているのかも注意しながら解いていった。

モールス符号が問われる問題はA問題に3問、B問題に1問あり、そのうちのひとつ、A-15は見たときニヤッとしてしまった。「そちらの伝送は、かなりの混信を受けています」を示すQ符号を表したモールス符号を答えるものだ。選択肢は4つだが、混信と聞いて「QRM」をすぐに思い浮かべるものの、それでも選択肢には「QRM3」と「QRM5」が残る。実は「かなりの」というのが曲者で、我々の感覚からいうと、「かなり」が付いていると強い印象があるが、Q符号では「かなり強い」「強い」「非常に強い」の順で強度が増す表現なのだということを、勉強中に知って驚いたのだ。

なので、QRMは、1:混信を受けていません、2:少し混信を受けています、3:かなりの混信を受けています、4:強い混信を受けています、5:非常に強い混信を受けています、となる。

これはまだマシなほうで、QRK(明瞭度)なんて、1:悪いです、2:かなり悪いです、3:かなり良いです、4:良いです、5:非常に良いです、となっていて、私の感覚からすれば、かなり良いと言われれば、良いよりもっと良いような気がしてしまうのだ。

話を戻すと、A-15は「かなりの混信」だから、QRM3を選ばなければならず、私は見事にクリアした(笑)。

A-21とA-22の無線通信規則に関する問題は一瞬悩むところはあったものの、消去法で選んでいるうちに解答にたどり着くことができた。特にA-22は、過去に受けた別の試験に出ていたように記憶する。問題になりやすそうなので、「送信機の位置」「受信機の位置」は徹底して覚えこんでいた。

A-23を見たときは、待ってましたと叫びそうになった。アマチュア業務に分配されている周波数を答えるものだが、一覧表からすべての周波数範囲を語呂合わせで覚えていたのが役に立った。プロ資格では問われない範囲なので、以後の試験勉強には関係がなくなるが。

B問題もおおむね穏当な出題だったと思う。B-1の間違い探しで「300万ギガヘルツ」というのが唐突で、うっかり見逃しそうになったが、過去問で引っ掛かったことがあるのが助けとなった。用語の定義というのは覚えていないと歯が立たないので、しっかり正確にやっておかなければならない。

B-5は従事者免許証に関する問題で、「1箇月以内に」というのを読み流してしまいそうになったが、無線局免許状ではなく、従事者免許証のことだと気づいて事なきを得た。同じく、従事者が死亡または失そうの宣告を受けたときの返納について、「遅滞なく」だったか「速やかに」だったか一瞬悩んだ。死亡したときに急ぐこともなかろうと思い出して、「遅滞なく」として正解だった。

さて、これで無事に1アマ資格が取れれば、ようやく当初の目的が果たせる。つまり、無線機の入れ替えである。どの無線機にするか、またぞろカタログやサイトを調べて回らなければならない。この作業がいちばん楽しい時間である。


2020年9月29日火曜日

第一級アマチュア無線技士国家試験受験(R2年9月期)その5

 9/27に受験した1アマの問題と正答が、本日16:00に、日本無線協会のサイトで公開された。もうドキドキでチェックしてみた。これほど緊張した発表は、大学の合格発表以来である。

http://www.nichimu.or.jp/kshiken/siken.html

さて、結果は次の通りだった。

法規:150点/150点(得点率100%)

無線工学:134点/150点(得点率89.33%)


良かった~、合格していた!


これほど苦戦した試験は無かった。試験を終えて戻った夜、がっかりしている私に対して娘が、「1級は簡単には取れないぞということだよ」と声を掛けてくれたのが救いとなった。自分はそれほど難しい試験に臨んでいるんだと改めて自覚できたのだ。そして、合格できた今となっては、その言葉のおかげで喜びが倍増するのである。


さて、無線工学の得点内訳は、A問題:110点/125点、B問題:24点/25点で、合計134点だった。A問題で間違えたのは25問中3問、B問題は小問25問中1問だ。驚いたのはA問題で間違えた箇所で、なんと自信のあったA-5がミスしていたのだ。そのほかはA-7とA-16だ。

A-5は「LC直列回路のリアクタンスの周波数特性の特性曲線図」を選ぶ問題で、ひと目で選んだのだが、なんと「並列回路」と「直列回路」を取り違えて解答していたのだった。回路を見て一瞬迷ったのだが、それが生かせなかった。

A-7は悩まされた「Nチャネル接合型FET」の問題で、相互コンダクタンスgmの式はすぐに分かり5つの選択肢のうち3つに絞り、ドレイン電流で最後に2つまで絞り込んだのだが、ふと別の選択肢を選んでしまったというのが仇となった。正解は絞り込んだ2つのうちの一つにあったのだからちょっと悔しい。すなおに回線図の電流の方向の通りに選んでおけばOKだった。

A-16は苦手意識があった「全波整流回路のダイオードに印加される逆方向電圧」の問題。計算過程を見ると、2で割らなければ正解していた。正式な解法はいま現在わからないでいる。

いま思うと、間違えた3問も2択までは絞り込めているので、かなりいい線までは行っているのではないかとうぬぼれてしまう。でも、基礎がまだまだできていないことも思い知らされ、さらに無線の上級資格は基礎を固めたうえで応用ができないとだめだということが、今回よくわかった。

アマチュア無線の資格としては第一級が最高峰だが、プロを含む無線資格としてはまだ上があり、ようやく五合目といった感じだ。これから先に進むには、今までのような問題集を普通にこなしているだけではダメで、しっかり理解して、応用できるようにならないと話にならないということが分かってきた。決意を新たにした次第で、すでに教科書などを読み返しているところだ。

さて、正式な合格発表は10/14である。解答用紙にきちんとマークしたことは何度も確認しているので、おそらくは合格通知が届くものと確信している。(今回の合格率はどのぐらいだろうか。いつもは30~40%なのだが・・・。)

次の資格を狙うとしたら、1陸特か、2陸技かな。まさか1陸技か?

2020年9月28日月曜日

第一級アマチュア無線技士国家試験受験(R2年9月期)その4

 9/27の1アマ無線工学の試験を、引き続き振り返ってみる。

使用していた問題集や参考書にはなかったような内容・形式の問題は、残すところあと10問となった。A-1、-2、-3、-6、-7、-9、-13、-14、-16、-18である。

A-1は「2つの点電荷から受ける電界強度」の問題。2点間のものなら分かったが、求める点の位置が2点間の線分上にない。悩みまくったが、電界は2つのベクトルの合成ではないかと思い、計算して絞り出した。思いついたきっかけは、d-cとa-cの距離が同じになっていることに気付いたからだが、そんなことは大した意味は無いだろうか。

A-2は「環状鉄心の磁束」を求める式を選ぶ問題。選択肢のいずれも記憶になかったが、何に比例し何に反比例するのかを考えて選ぶことにし、Mの平均磁路長のみ分母に持ってくる。実のところ消去法に近く、平均磁路長が大きくなると磁束がどうなるのかピンとこないでいた。それ以外の項目、Mの断面積や透磁率は比例しているはずだからということで、残ったのが、平均磁路長のみ分母にある式φ=μNIS/Lだった。

A-3は合成抵抗の問題で、一見したとき楽勝と思ったが、いざ解こうとトポロジーをあれこれ探ってもうまくいかないことに気付き、これも悩みまくる。時間最後のほうで、回路が平衡しているのではないか、となると縦の抵抗器には電流は流れないのではないかと思い、それらを無視して単純に計算して解いてみた。

A-6はセラミック発振子についての文章問題。セラミック発振子はノーマークだったが、私が持っている発振子の知識を総動員して3つの空欄を埋めた。コルピッツ発振回路の「コイル」と置き換えるという理解で、選択肢を2つにまで絞れる。電気的等価回路は水晶振動子と同様か異なるかで悩んだ。決め手は温度変化による周波数特性の優劣だ。はたして結果は?

A-7は「Nチャネル接合型FET」についての説明で、トランジスタや半導体の知識をしっかり持っていれば解けたはずだが、ちょっと疎かにしていた分野で反省することしきり。相互コンダクタンスのgmの式はすぐに分かり、なんとか選択肢5つのうち2つにまで絞り込んでいたが、ふと思いついて、別の選択肢にマルした。

A-9は「Trのダーリントン接続回路」について。ひとつのトランジスタとみなしたときのエミッタ接地直流電流増幅率を表す近似式を求める。正直ピンとこない問題だったが、2つのトランジスタがダーリントン接続でつながっているのだから、単純にそれぞれの増幅率を掛けてしまえと思って解答を出した。

A-13は「可変容量ダイオードを使用した直接FM変調回路」について。「逆バイアス」電圧と「空乏層」はすぐに分かったが、それだけだと、選択肢が2つ残る。最後に共振周波数を求める式で、コンデンサを和とするか差とするかで一瞬悩む。結局、CdとCは並列接続なので「和」という単純な理由で絞り込んだ。

A-14は文章問題の選択だったが、「影像周波数と混信」に関するもの。最初ややこしそうに見えたが、よく読むと、消去法により、ほぼ一瞬にして解答を導き出すことができた。

A-16は「変圧器つきの全波整流回路」の計算問題。ダイオードに印加される逆方向電圧の最大値を求める。この手の問題は苦手意識があって、いくつかパターンを覚えていたのだが、今回出題のパターンは手持ちがなかった。仕方なく、トランスの二次側実効値のひとつから最大値を求め、コンデンサがあるから2倍し、さらにダイオード2つのうち一つに印加されるから2で割っておいた。

A-18は「5/8波長垂直接地アンテナ」についての問題。空中線に関してはほぼOKと思っていたのだが、まさかの5/8波長のアンテナとは・・・。最初へこんだが、5/8波長垂直アンテナは、プロ資格の勉強のときにかじったことがあり、しかも、昔々に出ていた2m(144MHz帯)で5/8ラムダのGPを使っていたので、それを思い出して解答した。実際には、この種の垂直アンテナの電流分布は頭頂部付近で最小になるということを知っていれば解答できる。

というわけで、必死に何とか全問解答してみたわけだが、以上の内容はすべて自己流なので、良い子はマネしないように(笑)。はたして、見事正解が導きだされているのだろうか。

ただ、これら以外の問題はバッチリというわけではなく、不安な個所も多い。自信のあるものだけを合計すると、95/150点となり、合格ラインの105点には届かない。もしかしたら行けているかもというものを探すと2問プラスで、それだと105点となり、ちょうどボーダーである。もうちょっとおまけしても、せいぜいあと2問で120点となるが、ギリギリで予断を許さない。自信がある問題でも、計算ミスやケアレスミスをしている可能もあり、本当に合否は分からなくなったのだった。

昨日試験が終わってからは悶々とした時間を過ごしているうち、もうダメかもと思い始めてリベンジを期するべく、次回12月期の申し込み期間をネットで確認したほどだった。しかし、今日は少し気を取り直して、いくつかの問題についてネットで解法を探してみたら、いくぶん希望が持てるようになってきた。

A-1、-2、-3、-4、-18、-19は正解しているか、あるいは正解している気配が濃厚となり、B-5小問は5問中4問は正解しているらしいと判明したのだ。これは大きい。それでダメかもしれない問題を数えると、A問題で5~6問(25~30点減点)、B問題で1問(1点減点)で、合計得点124~131点は見込めそうになった。ボーダーラインは105点なので、これだと文句なく合格だが、ほかの問題が確実に取れているという保証もなく、まだ安心はできない。

問題と正答の発表は、明日(火)16:00である。

(つづく)

第一級アマチュア無線技士国家試験受験(R2年9月期)その3

 昨日受験した1アマの試験は、無線工学がスラスラ解けなかったことが悔しくて仕方がない。これまで受けてきた無線の資格試験はすべて満点かそれに近い点数でクリアしてきただけに、自分の問題運の無ささえ恨んでみたりする。

なので、勇気を出して、少しずつネットで解き方を探っている。その結果、苦戦して解いた問題が意外にも正解していたりすることに気付いて、結果に僅かばかりの光明が差してきた。

1アマの「無線工学」科目の問題は全30問あり、そのうち「A問題」と呼ばれるものが25問、「B問題」は5問ある。A問題は出題に対して正答を一つ選ぶもので、得点は1問につき5点となる。B問題はそれぞれに5つの穴埋め式解答欄があって、各1点の得点だ。やはりA問題の正否が大きなカギを握る。

まだ正答と付き合させたわけではなく、だいたいの感触に過ぎないが、悩んだ問題の解法を調べていくうちにまんざらでもない感触を得始めるのだった。

さて、試験日当日のことを改めて思い出してみる。

手持ちの問題集や参考書では見覚えのない、初見時にストレートに「なんじゃこれ?」と思った問題は、A-1、-2、-3、-4、-6、-7、-9、-13、-14、-16、-18、-19、B-5であった。もしこれらすべてを落としたとすると、13問x5点=65点減点で、得点85点となり、見事に不合格である。そのほかの問題にも、選択肢に一瞬ひるんだものもあったので、情勢としては極めて不利だった。

とりあえずは解けそうな問題から確実にこなしていき、上記の「難題」に取り掛かる。よく見ると、A-4の「皮相電力・有効電力・力率」は1アマ本では見なかったが、過去に受けたプロ資格の試験では勉強したことがあった。でもほとんど忘れている。何で知識が定着していないのかなぁと自分を恨みつつ、遠い記憶を探りながらの計算となった。

同様に、A-19の「アンテナの指向特性」も、プロ資格のときの勉強でやったことがあり、これも遠い記憶を引っ張り出してきて解答した。2つまですぐに絞り込んだが、悩んだのは半値角の数値で、絶妙な選択肢の出し方である。1/√2か1/2か。自信はなかったが、なんとなくルートが付いたほうの数字が浮かび上がってきた。

B-5は「スプリアス発射と不要発射の強度」に関する法令の解釈的な問題だ。問題集で分かりにくかった部分を覚え直そうと確認していた知識が役に立って、5問中4問正解で1点のロスのみで済みそうだった。とはいえ、すらすら解いたわけではない。薄い記憶の中、必要周波数帯幅のすぐ側は、たしか「帯域外領域」だったなぁ、その外が「スプリアス領域」だったなぁと探りつつ、文章に当てはめてみると地の「スプリアス発射の強度」というのが妙に気にかかり、一瞬入れ替えるべきか否か悩んだ。

間違えられるのは多くても9問まで。残り10問のうち一つでも二つでも解けないとヤバイ。私は必死に食らいついていったのだった。

(つづく)

2020年9月27日日曜日

第一級アマチュア無線技士国家試験受験(R2年9月期)その2

 9月27日(日)、第一級アマチュア無線技士国家試験を受験した。4月に行われる予定だった試験がコロナ騒ぎで中止となり、この度ようやく受験が叶った。上級資格を取ろうと思い立ってから1年が過ぎてしまった。

試験会場までは、幸い車で1時間以内で行けた。しかも道はまっすぐ行って直角に曲がって終わりといった感じで気軽だった。いつものように電動車椅子を積んでいるから、会場は少々広くても安心だ。

駐車場も、日本無線協会のメール通り、問題なく停めることができ、無料駐車券ももらうことができた。会場の自分の席に着いたのは8:30ごろ。広い部屋に長テーブルが並べられ、そのテーブルに一人ずつ着席する。

午前中の「法規」は09:30~12:00だが、ゆっくり慎重にやって、11:00ごろに退出した。法規の内容はほぼ問題集や過去問の通りで、1~2問つまづきそうになりながらも比較的余裕でこなせた。これならいけるなという手ごたえ。

午後の「無線工学」は13:00~15:30。過去問をやったときは1時間ちょいぐらいでこなせていたので、こちらもゆっくりやろうと思っていたのだが、実際はけっこう手こずって、終了ぎりぎりの15:20の退出となった。

無線工学の問題用紙を見たとき、一瞬、青ざめた。私が使っていた問題集や参考書ではお目にかかったことがないような内容や形式の問題がいくつも並んでいたのだ。そんなものが、ざっと数えて10問ぐらいはあっただろうか。全30問で、配点は各5点、合計150点満点で合格ラインは105点以上なので、単純には9問までは落としても大丈夫なのだが、印象としてはかなりヤバイ。しかし、8ページある問題用紙をぱらぱら捲ると、いけそうなものも散見されたので、とりあえず取れるところは取っておこうと、いけそうな問題から取り掛かる。

もうダメかもと何度か思い、泣きそうになりながら、見覚えのない問題もあきらめずに必死に食らいつく。なけなしの知識を総動員し、論理を考えながら解いていった。

結果としては、全くダメというわけではなく、かといって、自信があるわけではなくと言った感じ。でも、おそらくダメだろうという思いもよぎる。もしかしたら、数点の差で涙を呑むかもしれない。そんな惜しい負け方は嫌だなぁ・・・などという印象だ。いやしかし、意外と合格しているかもしれない。諦めるのはまだ早いと思い直して、今ここにいる。

問題と正答がサイトで発表されるのは、9/29の16:00である。

第一級アマチュア無線技士国家試験受験(R2年9月期)その1

 現在のアマチュア無線局免許状が、新スプリアス規格対策のために、5年の期限を待たずに期限切れとなる。無線機ごと買いかえて、申請し直せばOKなのだが、どうせならパワーアップしたい。ということで、思い切って上級資格を取ろうと決意したのが、昨年の夏。

そして、JARDの講習制度を利用して、昨年秋に第三級を、今年早々に第二級を取得することができた。アマチュア免許だけでは面白くないと思い始め、その合間に、第二級陸上特殊無線技士(2陸特)と第二級海上特殊無線技士(2海特)というプロ資格を取得。陸・海ときたら、空もと言うわけで、航空特殊無線技士(航空特)もゲット。

さらに、法規と無線工学に加えて英語の試験もある、第一級海上特殊無線技士と航空無線通信士も取得することができた。ここまでで3アマの勉強を始めて丸5か月だった。

もう弾みがついてしまって、記憶が新しいうちにと第一級アマチュア無線技士(1アマ)にも挑戦することにし、今年の4月の試験準備を始めていた。航空通の国家試験(2/29)の試験を終えて、1か月後の4/04試験に向けて毎日何時間も集中して勉強をしたものだった。

ところが、1アマの試験日当日に知った、驚愕の「中止発表」。コロナのせいだ。

次回の9月期にそのまま振り替えてもらえたが、9/27まで約6か月もある。いまのテンションを維持し続けることができるかどうか悩んだ。オリンピックの選手も、東京2020が延期になったときはこんな気持ちだったのだろうか。私は、その後3か月の間、無線の勉強はほぼ手つかずとなった。

さて、今年の7月ごろから、少しずつエンジンをかけ始めたが、久しぶりに開く問題集や参考書の内容は目新しく感じるほど、忘れかけていて驚いた。根気よくイチから見直すしかない。そう思って丁寧に読み解いていくと、以前、にわかに仕込んで試験を切り抜けていた項目が、理論的に理解できるようになっていることに気付く。そして、その理解がまた新しい理解へと進む。

本格的にエンジンがかかったのは、9月に入ってからだった。今まで頭で理解しようとしていた計算問題も、3月にやっていたように実際に紙に書いて解いてみる。コロナのせいでさらに出不精になっていた身体も鍛えるべく、ダンベル運動を積極的に行う。

そして、ようやく迎えた9月27日。今日は朝から一日、第一級アマチュア無線技士の国家試験だ。