2009年3月13日金曜日

電動車いすを作ろう その8 ~時速6kmへの希望

今週の木曜日に役所の障害福祉課に出向く機会があり、結局、車椅子メーカーE社から役所に提出されているはずの見積書が届いておらず、約5ヶ月が無為に過ぎ去ってしまったことが判明したと先の日記に書きました。

支給を待っているのが今の私の生活になくてはならない物だったならば、私も「怒り心頭に発する」だったかもしれませんが、今回は特に急を要する物でもなかったせいか、意外と冷静に受け止めております。これというのも、役所の障害福祉課の担当職員との話で、あらたな展開が見られたせいもあるかもしれません。その展開とは、時速6km仕様をゲットする道が開けるかもしれないという希望が出てきたからです。

過去の日記にも書きましたが、電動車椅子の標準最高速度は時速4.5kmとされています。これを上回る仕様としては現在国内で許可されるトップスピードである時速6.0kmのものがありますが、公費助成を受けるにあたっては、初回の申請では4.5km仕様のものしか認められないという原則があるのです。
時速4.5kmでも健常者が早足で歩くぐらいのスピードはあるのですが、私が僅かな間に試乗しただけでもすぐに物足りなくなってきます。なので、私はどうしても時速6.0km仕様が欲しくて、業者の店長さんに相談したり、役所の職員に掛け合ったり、挙句は判定を受けた上級庁のセンターでも交渉してみたのですが、案の定、初回申請では4.5kmしか出ないということで諦めていました。

木曜日に障害福祉課の女性職員Mさんと話したときのこと。
業者の見積書が届いていないことが判明し、「(電動車椅子)作りますよね~?」と念押しされたので、「ハイ!」と答えると、私のほうからは何も言っていないのに、「4.5kmのものでいいんですか?」との問いかけがありました。
「できれば、6.0kmがいいんですけどね」とこの期に及んで希望を述べると、「私たち(役所の自治体)のほうで6.0kmで支給したいと認めると、6.0kmが出せるかもしれないんですよ」と言ってくれたのです。「基準は4.5kmなので、6.0kmにするにはやはりそれなりの理由は要るのですけどね」とのこと。
「たとえば、自宅近くに大きな道路があって、4.5kmでは渡りきれないとか、踏切があるとかね」という話でしたが、これは判定日のセンターの職員からも聞いていた通りでした。たしかあの時は、いったん4.5kmの支給を受けて、しばらく使ってみてからどうしても不都合があるようならば再度判定を受けなければならないと聞いていました。最初から6.0kmを希望していた私にとっては、この2段階のステップは何とも煩わしく感じました。

それが、今週の役所での話では最初から6.0km仕様が作れるかもしれない。
私はちょっと浮き立ちました。
「ちょっと上級庁に聞いてから、お電話差し上げますね」ということでしたので、楽しみに待つことにしました。
自宅に戻るとすぐに電話がありました。私の自治体の役所はいつもレスポンスが速いので頼もしいです。窓口もいつ行っても空いているし、快適なところも評価できます。

で、電話の内容ですが・・・。
昨年8月に判定を受けた上級庁のセンターで再び6.0km仕様の判定を受けることになりました。また実際に電動車椅子に乗っているところを見せるのだそうです。もちろん今度は6.0km仕様のものに乗るわけです。その際、6.0km仕様の車椅子が必要な理由を説明してくださいということでした。その場合のアドバイスもいただきました。とても親切な職員さんでありがたいです。

私は正直、また判定か~とちょっとメゲましたが、職員さんが親身になって悩んでくださっていることと、そして何より6.0km仕様が作れるかもしれないという期待で、判定を受けることを快諾しました。判定の日程が決まっているので候補日時をセンターに確認してもらい、折返しの電話で教えてもらいました。一番早くには来週にも判定を受けることができる日程がありましたが、私のほうのスケジュールが合わず、一晩考えてから、4月早々でスケジュールを押さえてもらいました。

仕切りなおしといえばホントの仕切りなおしになってしまいましたが、よく考えると、5ヶ月待ったおかげで6.0km仕様のものが作れるようになったかも知れず、何が幸いするのか分からないものです。もちろん、まだ決まったわけではないので楽観視はできませんが、いま非常に楽しみにしております。


ところで、役所でMさんと話したときにもうひとつ確認したことがあります。それは電動車椅子のバッテリについてです。
技術は日々進歩するもので、電動車椅子の分野でも例外ではありません。私が半年もモタモタしているうちに、以前は「ニッケル水素」電池しかなかった仕様に、今年の2月から「リチウムイオン」電池の仕様が新たに加わりました。そのような変革に福祉行政がどの程度ついて来ているか、チェックを入れてみたのです。
この件については、次の日記に書くことにします。

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