2009年5月6日水曜日

電動車いすを作ろう その13 ~メーカーの選定

公費の一部助成を受けて、簡易電動車椅子を作るということで手続きを進めているのですが、時速6.0km仕様の「「適」判定を受けたものの、肝心のメーカーやモデル選定に手間取っているうちに、いつの間にかゴールデンウィークに突入してしまいました。

今日は、前回の日記を書いた時点でのメーカー各社営業さんから得た情報と、それを基にさらに調べた情報などを交えて、簡易電動車椅子の選び方について書いてみたいと思います。

まずは、メーカーおよびモデル選定にあたって、私自身が想定する電動車椅子の使用環境や希望する条件などを整理してみましょう。

<想定される使用環境>
・自宅内では使用せず、屋外での使用が中心となる。

1)自宅周辺 (舗装された一般的な市街地)。
2)自家用車の荷室に積載して外出し、目的地の最寄の駐車場から周辺区域、または外出先施設内(ex.役所、業務先、美術館、ショッピングモール、アミューズメント施設)。
3)電車など公共交通機関を利用しての外出。
4)旅行(国内・海外)。


<希望条件>
・屋外での使用に耐える快適な乗り心地および剛性。
・車載のため、可能な限り本体自重が軽いこと。
・車載のため、背もたれ折りたたみ式希望。
・耐荷重は、体重+手荷物を考えると100kgは必要か。
・電動ユニットは、最高速度6.0kmで、かつ段階的に速度変更設定ができるもの。
・操作部は、標準スティックタイプのもので、左手でのコントロール。
・バッテリは、リチウムイオンとニッケル水素で迷っている。

ポイントは以上のようになりました。
さて、これを満足する車椅子とはどのような選択になるのでしょうか?

過去の日記ではメーカー名などは極力伏せて書き進めてきましたが、ここからは情報の正確さを期するためにあえてメーカーなどを明記することにいたします。ただ、あくまで私の身体や障害、生活の状況、および使用環境に合わせての話ですので、参考程度に留めておいていただければと思います。


ではまず、車椅子メーカー大手の「株式会社ミキ FORCE事業部」の営業さんからお聞きしたお話を紹介します。

同社の製品の中で、簡易電動ユニットを組み込む前提とされているモデルは、
「JWX-1M」
「JWX NOVAIII」
「GF DP」
の3機種になるそうです。
このうち、「GF DP」はティルトリクライニング車なので、私の用途から外れます。
また「NOVA III」は、キャスター(前輪)のサイズが一番大きな物でも5インチであり、主に屋外での使用を想定している私にとっては不向きであると言うのです。

結果として、消去法で「JWX-1M」が残ることになります。このモデルのキャスターサイズは6インチであり、屋外向きであるとのこと。全体のサイズも、私がいま所有している手動式の車椅子とほぼ同程度のようです。

ということで、ミキの製品の中では「JWX-1M」という選択になるわけですが、ここでもう一つ注意しなければならないことがあるそうです。
このモデルには電動ユニットとしてYAMAHA発動機製の「JWX-1」というシステムが装着されるのですが、時速6.0km仕様のユニットについては、メーカー仕様として7インチのショックレスキャスターを使用しないとメーカー保証の対象外となるとのこと。
で、7インチのキャスターは車椅子メーカーの「(株)ミキ」では扱っていないので、販売店でのオプションとなるとのことでした。メーカーではなく販売店オプションだなんて、なんだか自家用車の購入みたいですね~。

さらに後輪のサイズについてですが、大人用の車椅子では20、22、24インチの3種類があり、かなり長身である私のようなユーザーは24インチを使用する例が多いようです。
また、タイヤもいくつか種類がありますが、クッション性を考えると空気入りの通常タイヤが良いのではないかと勧められました。

車椅子の自重についてですが、電動車椅子としての強度を考えた場合、フレームなどを削るのは限界があるということで、重量はある程度犠牲にしなければならないようです。ミキの「JWX-1M」の重量は29kgあるとのことで、ちょっと厳しいですね~。

それと私がコンタクトを取ったミキの担当者はあくまでメーカの窓口であり、個人向けには販売業務を行っていないとのことで、役所に提出する「見積書」も販売店に作成を依頼してほしいとのことでした。もちろん、地域担当の販売店の窓口も紹介してもらえました。


さて、次に同じく大手車椅子メーカーの日進医療器(ニッシン)の地域担当営業さんからお聞きした話を紹介します。

ニッシンの製品の中で電動ユニットを組み込むとしたら、「iS(アイエス)」というモデルを勧められました。

キャスター(前輪)については、やはり屋外使用中心ならば6~7インチを使うべきとのこと。ただ、YAMAHA製ユニット(6.0km仕様)が7インチのショックレスキャスターを必須としているという話は出てきませんでした。また、ニッシンのカタログによると、「iS」の標準キャスターは6インチまでとなっているので、もしかしたら7インチはオプションとなるのかもしれません。

後輪のサイズについては、自分で漕ぐことを考えるのならば24インチのような大きいほうがラクだが、そうでなければコンパクト性も考慮して22インチで十分だというのです。車椅子じたいの自重はせいぜい400gぐらいの差でしかないが、車載するときを考えると22インチの小さいほうが有利だし、22インチのほうが小回りも利くとのことでした。

また、肝心の電動ユニットの選択についてですが、YAMAHA発動機、アイシン精機、イマセンという代表的なメーカーのうち、オススメは圧倒的にYAMAHAだそうです。
歴史も技術力もあるし、何よりリコールなどの対応ぶりが早いということです。また、私としては裏が取れていない情報で恐縮なのですが、アイシンはリチウムイオンバッテリを廃止する方向だとおっしゃっていました。リチウムイオンはこれから主流になっていくと思うのですが、何かあったのでしょうか?

バッテリについては、案の定、リチウムイオンのほうをイチオシされていました。1回充電での走行可能距離が従来(ニッケル水素)の倍などメリットが大きいそうです。
ただリチウムイオン・タイプにすると7万円ほどのアップになります。(私の場合、バッテリ部分が公費助成の対象外となるため、この部分で10万円ほどの持ち出しとなる見込み。)

それと、ニッシンのほうは、この地域担当営業で「見積書」も作っていただけるとのことでした。


3つ目の候補メーカー、OXエンジニアリングですが、同社からは先日6.0km仕様のもので公費支給申請用の「見積書」を入手しました。先にいただいていた4.5km仕様のものに比べて、電動ユニットの部分で僅かに金額がアップしていただけでした。

このメーカーの6.0km仕様モデルはYZ-Eになり、これにYAMAHA製の電動ユニットを組み込む形です。価格は高めなのですが、カタログを見ているとほぼフルカスタムメイドになっており、悔しいですが(笑)、さすがに魅力的なオプションラインナップです。キャスターも見るからにしっかりしており、逞しいこと!
以前、OXショールームの店長の話では、やはりリチウムイオン・バッテリをオススメされていました。言うまでもなく、スペック的には文句ないのですけどね~。



ここで話を少し整理しますと、私が作ろうとしている簡易電動車椅子は、一見すると普通の自走式車椅子なのですが、それに自動で動かすことのできる電動ユニットを組み込んだタイプのものです。

で、選択肢としては、フレームは次の3社のいずれかのうち一つ。

<フレーム(本体)>・・・メーカー(モデル)
・ミキ(JWX-1M)
・ニッシン(iS)
・OXエンジニアリング(YZ-E)


そして、それに組み込む電動ユニットは、次のいずれかのうち一つ。

<電動ユニット>
・YAMAHA発動機製
・アイシン精機製
・イマセン製

上記の組み合わせから選択するということになるのですが、実際には、上に書いた各メーカーのフレームはすべてYAMAHA製のユニットを装着しますので、メーカーを決めればモデルも決まり、そして自動的に電動ユニットも決まるということになります。

それと、電動ユニットについて自分で調べた補足情報ですが、YAMAHA、アイシン、イマセンの3つの電動ユニットメーカーのうち、充電器の電源仕様が「100~240V」のマルチタイプになっているのがYAMAHAだけなのですよね。
つまり、海外の電圧でもアダプタを付けるだけで充電可能なのはYAMAHA製のユニットだけなんです。これだけでもYAMAHAを選択する意味が出てきました。この先、海外に出たときにも使いたいので、コレは必須条件です。


というわけで、かなり煮詰まってきました。

ここで以上のことを考慮に入れて、私の車椅子の仕様をまとめてみます。

・電動ユニット:YAMAHA発動機製 (時速6.0km仕様) 
        手動兼用型(電磁ブレーキおよび転倒防止装置含む)
・バッテリ  :リチウムイオン タイプ
・充電器電源 :100~240V仕様

・キャスター :7インチ (屋外用ショックレスキャスター等)
・後輪     :22インチ (空気入り通常タイヤ、またはそれに準ずるもの)
・リム    :滑り止めハンドリム
・背もたれ  :折りたたみ式
・クッション :処方どおり

こうして考えてくると、メーカーもモデルも選択の余地が意外と狭いことが分かります。

現時点での具体的な選択肢としては、
・ニッシン 「iS」 +YAMAHA電動ユニット
・オーエックス 「YZ-E」 +YAMAHA電動ユニット
のどちらかということになりそうです。

で、私の使用環境や条件にふさわしい仕様やオプションなどの具体的な提案を、各メーカーの営業担当者に求めてみることにしました

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