2009年6月12日金曜日

電動車いすを作ろう その14 ~見積基準額

最近どうも胃腸の調子が良くないせいか、パワーがみなぎらず、筆が進みません・・・。
しかし、いつまでもダラダラしていられないし、お伝えしたいこともヤマほどあるので、重い腰を上げつつ・・・。

さて、「電動車椅子を作ろう~その13」からの続きです。
公費の一部助成を受けて、簡易型電動車椅子を作るということで手続きを進めており、昨年8月からの道のりを日記にまとめておりますが、いよいよ最終段階に入ってきました。

メーカーおよびモデルの選定ですが、GWを迎えるころには概ね次の2社に絞り込んでいました。

・ニッシン 「iS」 +YAMAHA電動ユニット
・オーエックス 「YZ-E」 +YAMAHA電動ユニット

役所からの公費助成額は、業者の見積り金額に対して一定の割合で支給されます。結果的に実際に要した金額がいくらになろうとも、支給金額はあくまで最初に提示した業者の見積り金額が基準となるのです。
では、最初の業者見積り金額をできるだけ高いものにしておけばよいかと言うとさにあらず、役所に提出する見積書(=身体障害者自立支援法に伴う補装具の支給申請に使用する見積書)の作成の際には、各ユニットやパーツについて「基準額」というものが定められているようです。
なので、この見積書についてはどこの業者に依頼しても金額的な差異はないというのが原則です。

以下に私が調査した基準額(カスタムメイドの場合)の一部を記しておきます。
なお、自治体や福祉事務所などにより判断が異なる可能性がありますので、あくまで参考に留めてください。

・車椅子本体(普通型)  100,000円
・手動兼用型電動装置   165,000円
・クッション(多層構造)   10,000円
・バッテリ(ニッケル水素)  54,000円
・外部充電器        25,000円
・電磁ブレーキ       25,000円
・屋外用キャスター  15,000円

(そのほか略)

公費支給申請用の見積書を業者に依頼すると、だいたいこのような項目と金額を連ねた見積書が届き、それを役所の福祉事務所に送付して、「支給決定通知書」を待つことになります。
今回、私はニッシンとオーエックスの両社に見積りを依頼してみましたが、届いた公費申請用の見積書の金額は「ほぼ」同じでした。
ん?同じになるべきはずのものが微妙に違うのはどうして??

何が違っているのかよく見ると、オーエックスの見積書には、判定で処方に記入されていた「背もたれ折りたたみ」が省略されているのと、受託報酬額という項目の料率の設定がわずかに異なっていて、総額でニッシンの見積書のほうがほんの少しですが高くなっていました。料率はさておき、処方の一項目が落ちているのはちと面白くありません。

また、ニッシンの営業担当者Sさんからは何度も電話をいただいていたことや、見積書の郵送時にご丁寧な手紙が入っていたことなどもあって、ニッシンに対してかなりの好印象を得ました。
さらには、公費支給申請にあたっての貴重なアドバイスなどもしていただき、それが決め手のひとつとなって、私の車椅子は「ニッシン」(日進医療器株式会社)と決まりました。
そうして、私はニッシンに作成していただいた見積書を役所に送付して、「支給決定通知書」を待つことになりました。


メーカー選定にあたって気になっていたことは、実際に製作したときに掛かる費用がいくらになって、自己負担金はどの程度になるかということです。
先に書いたように、公費からの助成はあくまで最初の基準見積り金額に基づいて算出されます。その時点で「自己負担額」も提示されるのですが、それは車椅子を基準額どおりに作ったことが前提です。しかし、この公費の基準額というのは、必要最低限のクオリティや装備品などしか想定していないので、実際に作るとなると仕様やオプション追加などでかなり高額な金額になってきます。足が出た分も当然のように自己負担になるので、実際の自己負担総額は大きな金額になってきます。

そのことが気になって、私は公費支給申請用の見積りとは別に、私の希望条件に合わせた「現実的な見積り」も両社にお願いしてみました。
事前にコミュなどで情報収集して覚悟はしていたのですが、オーエックスから届いた見積りを見てビックリ~。「70万円」を超えていました。
公費支給申請用の見積り金額を大きく超えているのはもちろんですが、私の予想も大幅に超えていたのです。オーエックスは高いと話題になっていますが、これほどとは~。
試乗でお借りしただけでもクオリティや使い勝手を実感していたのですが、やはり価格もそれなりのものはあります。

一方、ニッシンからの「現実的な見積り」はというと、これも公費用の見積り金額とはかけ離れていましたが、オーエックスのものよりはいくらかリーズナブルなものでした。
このこともニッシンに決めた理由と言えるでしょう。

昨年末にオーエックスから「支給決定通知書の発行まで1~2ヶ月かかる」と聞いていたのですが、今回申請した書類については実にあっけなく、約2週間で送られてきました!

メーカーも決まり、役所の「支給決定通知書」も入手できたとなると、次はいよいよオーダーに向けての具体的な話をメーカー(業者)と進めることになります。

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