2009年6月14日日曜日

電動車いすを作ろう その16 ~メーカー担当者の来訪

公費の一部助成を受けて簡易型電動車椅子を作ろうという試みもいよいよ最終段階、業者さんを自宅に呼んでの採寸、オーダーというステージに入りました。

ニッシン(日進医療器株式会社)の営業担当Sさんの来訪アポの日は、あいにく朝から雨模様でした。
せっかくデモ車を持ってきてくれるというのに運のない話です。
しかし、Sさんがうちにやってきたときには、先ほどまで土砂降りだった雨もぴたりと止んでいました。
Sさんとはこれまで電話で何度も話をしていましたが、実際にお会いするのはその日が初めて。Sさんは口ひげを少し蓄えたダンディな紳士でした。
玄関先で私を見るなり、「デモ車、持ってきたので、ちょっと乗ってみますか?」と声をかけてくださり、早速うちの玄関前の駐車スペースでデモ車を体験することになりました。

デモ車は、いわゆる「iS 電動オプショナル仕様」と呼ばれているものでした。ニッシン車椅子の中で代表的存在である「iS(アイエス)」というモデルのフレームに、ヤマハ発動機の電動ユニットをつけたもので、デモ車には6.0km仕様のユニットが装着されており、車輪サイズは後輪:24インチ、前輪キャスタ:6インチでした。

<ニッシン公式サイト>
http://www.wheel-chair.jp/ele.php
(電動車椅子のページ)

カタログでは穴の開くほど見ていたのですが、実際に見るのは初めてで、もちろん乗るのも初めて。
実際に腰をかけてみると、全体的にがっしりした感じが体に伝わってきます。背もたれも薄っぺらなものではなく、がっちりと体をホールドしてくれる印象です。アームレスト(肘掛)やフットレスト(足台)の形状などはオーエックスの車椅子とは微妙にデザインが異なっていますが、ニッシン製の車椅子もとても上質なできばえだと思いました。

実際に走らせてみると、その出来のよさがいっそう実感できました。荒地を走ってみたわけではないので、悪路走行の細かいインプレッションは書けませんが、通常の街乗りにおいては剛性の点もまったく問題なく、豪快でかつ安定した走りを見せてくれました。

では、「iS 電動オプショナル仕様」の細部を紹介してみましょう。


<アームレスト>
まず、アームレスト(肘掛)の高さが段階的に調節できるアジャスタブル仕様になっています。この高さは一度決めてしまえば変更することはあまりないと思われたのですが、たとえばクッションの厚みによって適切な高さに調整することもできるので、あればあったで便利そうです。

もちろん、オーダー時に「固定」とすることもできるそうで、「固定仕様」とした場合、車椅子の自重が少し軽くなるとのことでした。


<フットレスト>
フットレスト(足を置く台)は左右に跳ね上げ式になっていて、また前後の位置調整もできるようになっています。
さらに、フットレッグサポート(フットレストが付いているフレーム部分)が、簡単なレバー操作だけで左右に開閉でき、さらには着脱もできるようになっています。この仕様は、車載をするために少しでも軽量化を考えている私にとって、ありがたい配慮と言えます。外したフレームを持ってみると、片側だけで1kgぐらいはありそうでした。

このようにフットレストには稼働部位が多いのですが、ガタつくこともまったくなく、固定式の車椅子と比べてなんら遜色はありません。

もうひとつ一般的な車椅子との違いは、フットレストに足を載せたときにふくらはぎを支えるベルトの取り付け方です。
普通の車椅子では、左右のアームを結ぶように幅広のベルトが一本取り付けられていますが、「iS」の場合は、フットレッグサポートのフレームが左右別々に開閉・着脱できる仕様になっていることもあり、左右それぞれのフットレストに独立してベルトが付いており、ふくらはぎの外側から内側のかかとを斜めに支えるような感じにアレンジされています。
これはこれで機能的にはまったく問題ないのですが、私の場合、自分の足を腕で抱えて台に載せたときにベルトを踏んでしまう傾向にあって、少し面倒にも感じました。
サポート感はまったく問題なく、きっちりフィットしていました。


<自走用操作部>
手元で電動車椅子を操作するコントローラ(操作部)は、標準タイプのジョイスティック型のものが右側のアームレスト先端に取り付けられていました。

この部分はヤマハの電動ユニットのパーツなので、コントローラ自体の使い勝手やスイッチの配置などは、私が以前試乗したことのあるオーエックスのものと同じでした。

ただ、オーエックスに装着されていたものはパイプ状のアームレストの先端に差し込むタイプ(アームレスト取付式)だったのに対して、「iS」のは簡単には取り外せないようになっているようでした。でも、テーブルに近づくときなどは外側にスイングアウト(折りたたみ)することができるようになっているので、いろいろなシーンで活用できそうです。
(注:オーエックスの場合、コントローラの取付タイプは「フレーム取付式」が標準仕様で、「アームレスト取付式」はオプションとなります。)
コントローラ部は樹脂製なので強度の点がちょっと気になりましたが、この部分は電動ユニットメーカーであるヤマハの製品なので、車椅子フレームとは関係ありません。


細部の紹介はまだまだ続きますが、残りは次の日記に譲ります~!

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