2009年6月20日土曜日

電動車椅子を作ろう その20 ~正式発注書と見積書

昨年8月に北海道旅行したことがきかっけとなり、簡易型電動車椅子を作ろうと思い立ってから早10ヶ月。
ようやく納品を待つという段階までやってきました。

ここで、これまでの公費申請にまつわる手続き事項のおさらいと今後についてまとめようと思ったのですが、車椅子をオーダーしたニッシン(日進医療器株式会社)の担当Sさんから、正式な発注書(仕様明細)と見積書一式が届きましたので、ちょっとレビューしたいと思います。

私がオーダーしたのは、「iS(アイエス) 電動オプショナル仕様」(ヤマハ発動機製 電動ユニット「JWX-1」装着モデル)です。

<各部位寸法>
まずはシート幅。
「iS(アイエス)」として調整可能なのは、36、38、40、42cmですが、私の体系に合わせて標準と思われる40cmとなりました。
なお、36と42cmは受注生産となるようです。

次に座面の高さですが、座面の前(前座高)と後ろ(後座高)とでは、若干前のほうを高くします。
まず、前座高は、

・自走式 :タイヤの大きさや移乗方法で決める。
・介助式 :介助しやすい高さで決める。
・屋外用 :フットサポート裏と地面の間隔が5cm以上。

というような目安があるようです。

そして、前座高が決まったら、それに合わせて後座高を次のような目安で決めるようです。

・姿勢が安定している場合 :後座高=前座高-約2~3cm
・姿勢が安定していない場合 :後座高=前座高-約3~5cm

ただし、座面角をつけすぎると円背などになりやすく、また移乗が難しくなったりするので注意が必要です。

「iS」として設定されているのは、次の前座高/後座高パターンです。

・46/44 (単位:cm)
・45/43
・44/42
・43/41
・42/40
・41/39
・40/38

以上の設定を見てお分かりのように、「iS」では、前座高と後座高の差をそれぞれ2cmとしています。
なお、後述しますが、このサイズが、後輪(駆動輪)と前輪キャスタのサイズを決める基準となります。

私は長身なので、一番大きなサイズ「46/44」となりました。


<後輪(駆動輪)および前輪キャスタ>
前の日記では、各部位の寸法を調整してからベストなサイズを決めるということでお任せしていたのですが、結果として、後輪:24インチ、前輪キャスタ:6インチ(クッションキャスタ)となりました。
郵送されてきた書類の中に、「前座高/後座高設定表」というものが添付されており、それを見ると、上に書いたように「前座高/後座高」が決まると、車輪のサイズもだいたい決まるようになっています。

「前座高/後座高」のちょうど真ん中のサイズである43/41ですと、後輪:22or24インチ、キャスタ:4,5,6 or ポルテ(5インチ) or スポーツポルテ(4インチ)などから幅広く選べますが、それより大きくなってくると、たとえば後輪:24インチ、キャスタ:5or6インチ、小さくなってくると、後輪:22インチ、キャスタ:4or5インチとチョイスが制限されてくるようです。
いずれも、トータルバランスを見てのベストマッチングとして設定されているので、特別な事情がない限り、この設定で行くのが最善だと思われます。

なお、「iS」を自走式としてオーダーする場合は以上のとおりなのですが、電動ユニット「ヤマハJWX-1」を装着する場合は、46/44または43/41のいずれかから選ぶことになるようです。
それ以外の特殊な事情に合わせるとなると、フルカスタムメイドということになるでしょう。


<電動ユニット>
最初に紹介した「ヤマハ発動機製 JWX-1」という電動ユニットが装着されます。
発注仕様明細によると、次のような記載がありました。

・車輪サイズ :24インチ
・バッテリ :リチウムイオン
・操作部 :左側取付
・最高速度 :時速6km
・介助操作部 :なし
・クラッチ :左側取付

(電磁ブレーキ標準装備)
(転倒防止装置、外部充電器、含む)

ということで、これは打ち合わせどおりですね。


<フレームカラー>
標準色のブルーとしていますので、この部分の追加料金はナシです。
ちなみに、約20色のバリエーションから選ぶと、20,000円ほどのプラスとなります。


<その他オプション>
オプションはいくつかあるのですが、ほぼ処方どおりとしています。
その中でクッション(座布団)は多層構造の特注と記載され、厚さ:10cmとなっていました。
オーダー時に、このクッションを座シートに置く際に「マジックテープ止めにしますか、それとも滑り止めだけでいいですか」と聞かれたので、滑り止めにしてもらうことにしました。そのことも特記事項欄に書かれていました。

私の発注仕様明細はだいたい以上なのですが、それとは別にヤマハ「JWアクティブ」にした場合の注文仕様書もご参考として添付してくださっていました。非常に分かりやすく比較できたので、このような配慮もうれしいですね。


さて、気になっていた正式見積ですが、これも明朗会計(笑)で、パーツごとに単価も記載され、さらには公費との差額や利用者負担額、そして、最終的な支払総額までとても分かりやすく記載されておりました。その負担金額は安い額ではありませんが、納得のできるリーズナブルなものでした。

実は公費負担額について、これまでちょっと誤解していたことがあります。
それはバッテリについてです。
私の処方は「ニッケル水素」だったのですが、それを個人的な事情で「リチウムイオン」に換えているので、バッテリ部分の公費負担分は取り消しになって、リチウムイオンバッテリにした分をすべて自己負担しなければならないものと思い込んでいました。
ところがさにあらず、バッテリというのは必ず必要なパーツなので取り消しになることはなく、「ニッケル水素」から「リチウムイオン」にグレードアップして高くなった「差額」部分を自己負担すればよい、ということだったのです。
そういう話だと公費支給決定額をかなり活かせるので、大助かりですね。

先に「個人的事情でリチウムイオン」と書きましたが、そもそも現段階で「リチウムイオン」バッテリは公費負担の基準パーツにはなっていないので、判定では認められず、差額部分は自己負担となります。しかし、スペックによると一回の充電で走行できる距離もニッケル水素の2倍ありますし、寿命も2倍以上あるということで、リチウムイオンは是非オススメです。

ただし、判定基準外のものを装着することになるので、万一バッテリ部分が故障したり、新たに買い換えたりする場合には修理支給の対象とはなりません。このことは役所で聞いたのですが、判定処方どおりの「ニッケル水素」だと、バッテリの寿命で買い換えるときには修理対応で助成を受けられるそうです。
でも、よく考えると、リチウムイオンの寿命はニッケル水素の2倍はあるわけですから、やはりリチウムイオンにしない手はありませんよね。


さてさて、納期は・・・「約6週間」と言われました~。
ううう、ちょっと微妙。7月中に欲しいんですが、、、とはニッシンさんにも伝えてあります。
「最速で発注します」とのことなので、何とかなるかなぁ~~。


次回は、公費申請に関する手続き事項をまとめてみます。

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