2008年11月1日土曜日

電動車いすを作ろう その4 ~処方内容の決定

公費による一部助成をいただいて電動車椅子を作ろうと思い立った私は、役所の指示により、福祉センターの判定を受けることになりました。
そして、センターにて「事情聴取」と「路上検定」を受け、見事にクリアして「適」と判定されました。
続いて、電動車椅子についての希望を述べる段です。

簡易型電動車椅子というのは、そもそもが普通の自走式車椅子に電動ユニットを組み込んだものです。電動ユニットを組み込んだ状態で既製品として販売もされていますが、手持ちの自走式車椅子に後から電動ユニットを組み込むということも、一部の例外を除いて可能だそうです。
私は以前公費負担で支給してもらった自走式車椅子を持っていましたので、まずはその車椅子に電動ユニットを組み込むことを勧められました。このことは役所で相談したときにも話されていたことなのですが、諸事情により自走式(=手動式)の車椅子も手元に置いておきたいと思ったので、別のものが欲しい旨を主張しました。
事情を理解してくださり、この件はOK。

ただし、障害者自立支援法で支給できる車椅子は1台が原則なので、今回新しい車椅子の支給を受けると、前回(5年以上前)に作った自走式車椅子の登録は外され、修理などは完全自己負担になるそうです。

次に、いわゆる「オーダーメイド」とするか、または「レディメイド」とするかの選択です。
これも私の希望と事情を話すと「オーダーメイド」で受け入れてくださいました。これにより、基準価格の範囲内で、私の体に合わせたサイズやスペックでの製作が可能となります。

次に決めるのは、オプション品(付属装備品)です。
色々と話を聞きつつ希望を述べましたが、結局、

・クッション
・シートベルト
・転倒防止用装置を含む、切替式の手動兼用型電動装置
・電磁ブレーキ
・屋外用キャスター
・滑り止めハンドリム
・折りたたみ式背もたれ

などが認められました。

今日の日のためにE社の店長さんに事前に話をお伺いし、あらかじめ色々と考えて行ったものがだいたいOKとなりました。

「電磁ブレーキ」というのは当たり前に装備されているものだと思っていたのですが、どうやらそうでもないらしいです。
これは自動車でいうエンジンブレーキのようなものです。
たとえば、電磁ブレーキが装備されていないモデルの場合、坂道で停止し電動車輪を駆動していない状態にしても、路面の傾きに合わせてそのまま動き出してしまいます。これを止めるにはハンドブレーキを掛けるしかありません。
一方、電磁ブレーキがあると、電動スイッチをオフにしてもモーターにブレーキが掛かるので、いちいちハンドブレーキを掛けないでも勝手に坂を下ってしまうことはありません。
停止するたびに傾斜の状況を見ていちいちブレーキを掛けるなんてことは面倒なので、電磁ブレーキは必需品です。

路上判定の際、私が信号待ちで止まったとき、僅かな傾斜でも車椅子がジリジリと前へ動き出し、やむを得ずハンドブレーキを掛けたということはすでに書いたとおりです。
私がE社からお借りしていた車椅子ではそのようなことがなかったのでちょっと焦りましたが、なぜそうなったかと言うと、ずばりセンター備品の車椅子には「電磁ブレーキ」が装備されていなかったからでした。

あのとき路上判定に立ち会ったセンターの職員Nさんが、ハンドブレーキを掛けざるを得なかったことをきちんと見ていてくれたのです。それで職員のほうから「電磁ブレーキがあるほうがいいですね~」と追加する話をしてくれたのでした。これは自分ではまったく気付かなかったのでありがたかったです。

私は両手にも障害がありますが、どちらかというと左のほうがまだ動きがマシなので、障害を負ってからは左手に利き手を交換しているのですが、電動車椅子のステック操作も左手でやります。それもチェックされて、「ステック操作は左」と記録されました。こういうのも事前に決めておかなければならないんですね。
OXさんのモデルではコントローラを簡単に左右交換していましたので、あとでどうにでもなりそうですが。

最後に、私が一番気になっていたことを確認してみました。
それは電動車椅子の「速度」のことです。
いま日本国内で販売されている電動車椅子の速度には2種類あります。
時速4.5km仕様と時速6.0km仕様です。
いずれも段階的に速度調節ができるので、私はどうせならトップスピードが速いほうがいいなぁと思っていました。
そもそも今回E社にお借りしたかったのはY○-○というモデル、つまり6.0km仕様のものだったのです。しかし、それが予約いっぱいでかなわず、結局GW-Eという4.5km仕様のものしかお借りできませんでした。

日常使う分には4.5km仕様のもので十分なのですが、やはり前日のようなときにはもっと速いものが欲しくなります。
この件について店長さんにも聞いていたのですが、「初めて電動車椅子を申請するときは4.5kmになりますよ」と言われていました。
でも、もしかして4.5kmをスイスイ乗りこなしているところを見せれば道は開けるかも~ということでしたので、私は一縷の望みを抱いていました。

当日の判定ではスイスイ乗りこなしたつもりだったのですが、この件でセンターの判定職員に尋ねてみると、やはり最初の申請では4.5km仕様になるとのこと。

もし6.0km仕様にしたかったら、今回支給される4.5km仕様を使ってみて、不都合を訴え、あらためて申請する必要があるというのです。
不都合とは何かということですが、たとえば自宅近くに幅の大きな車道があるとか、踏切があるとかの環境で、4.5km仕様では遅すぎて渡りきれないといった事例らしいです。

私はどうしても6.0kmが欲しいとちょっと駄々をこねてみましたが(笑)、そんな理屈のない話が通るわけもなく、そもそも4.5kmであっても認められるだけでも嬉しいことなので、とりあえずはおとなしく帰ってくることにしました。

このようにセンターでの判定は1日で終わりました。
所要時間はぜんぶで90分ほどでした。
判定日時は予め設定されたいくつかのスケジュールから選んで予約を入れなければなりません。当日は、指定された時間の10分前までに受け付けを済ませなければなりません。

私の自治体では役所の障害福祉課の職員が立ち会ってくれましたが、E社の店長さんの話では、業者の立会いは認められていないそうです。
(隣県では業者の立会いはOKだそうです。)
業者さんが立ち会ってくれたら、希望装備品などを述べる段でこちらが気付かないことなどの補足が期待できるのでありがたいのですが・・・。

とりあえず判定が「適」となり、希望も述べましたので、あとは判定通知書と処方内訳書の発行を待つことになります。


以下、「その5」に続きます。

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