2008年10月30日木曜日

電動車いすを作ろう その3 ~初回判定

電動車椅子の判定日の前日になんとか僅かな時間のにわか練習をこなしただけで、判定日当日を迎えました。

判定の際には、医師や理学療法士の診断、そして実際に路上を走っての適性検査があると聞いていましたので、ちょっと緊張していました。お借りした電動車椅子を自家用車に載せて出発です。
幸い、ここ数日続いていた雨模様がうそのように良いお天気になりました。

障害者福祉センターのロビーに入ったのが受付期限のちょうど5分前ぐらい。
私は、E社からお借りした電動車椅子で来ていました。
ロビーには役所の障害福祉課の女性職員が待っていてくれました。「その1」に書くのを忘れていましたが、判定日には職員も同行することになっているそうです。一緒に来てくれていた家内に申し込み用紙(受付用紙)を記入してもらってしばし待ちました。

予約時間きっかりぐらいに奥の部屋へ通され、そこで障害の状態や部位、入院した病院や期間などを書く用紙を渡されましたので、それも家内に書いてもらいました。私の場合は、海外の病院だけでも3つ、日本に帰国してからも2つの病院を転院しているので面倒です。しかも何年も前のことなので月もウロ覚え。「だいたいでけっこうですよ」ということでしたので、まさに「だいたい」書いておきました。

その後、センターの職員Nさん(女性:作業療法士)の方に、事情聴取よろしく、現在の体の状態、身長や体重、日常生活の様子、ADL、通院歴や服用している薬、リハビリ、日常生活や環境その他について細かく聞かれました。さらに、理学療法士の方が私の手足を動かしたりして、筋力や稼動範囲などのチェックをしました。そうした聴取が約30分ぐらいだったでしょうか。

そのあと、いよいよ電動車椅子に乗っての「路上検定」です。
私は持参した電動車椅子でいいものだと思っていましたが、検査を平等にするためにすべての検査はセンターにある備品で行うことになっているそうです。なので、私の場合も、センターで用意された簡易電動型の車椅子に乗り換えることになりました。

センターの備品は、ヤマハ発動機が販売している既製モデルのようでした。そもそもE社でお借りしたモデルも、搭載されている電動ユニットはヤマハ発動機製のものでしたので、操作性は同じです。ですので、私には特に問題はありませんでした。

まず、部屋を出て長い廊下をず~っとまっすぐ走りました。そして、直角に折れている廊下を曲がります。私は自動車教習所での卒業検定のときのことを思い出していました。「速く走らなくてもいい、とにかく安全を確保すること!」という指導員の先生の言葉が思い出されます。
車椅子の判定でもそのことを念頭に置きました。

廊下を走るときもすれ違う人がいたら、速度を落としたり、スペースを空けたりするという余裕がありました。廊下の曲がり角でも一旦停止して安全確認しながらゆっくり曲がるということもしました。前日の練習で修羅場(?)をくぐっていたのが奏功しました。

そうして玄関前のロビーまで来ると、2本の大きな柱の周りを8の字を書いて回ってくださいと言われ、そのとおりにしました。人通りもほとんどなく、平坦で見通しの良い場所なのでまったく問題はありません。

次に廊下を少し戻って直角に曲がったところで、エレベータに乗りました。エレベータも、OXさんの店から駐車場に行くときに乗りました。しかも厚かましく満員のエレベータを経験していましたし、銀行でも乗りましたので、問題なし。エレベータから後ろ向きに出るのもバッチリです。

そして階下に下り、少し廊下を行くと、外に出る通路がありました。いよいよ路上です。
建物の外に出るといきなり急な登り坂でした。
初めてだったら怯んだと思うような坂でしたが、前日の練習で修羅場をくぐった私は冷静でした。こんなの慣れてるよ~と言わんがばかりに派手に前傾姿勢を取り、一気に坂を登りきりました。

そのあと長いアプローチを走ってセンターの門から外の歩道に出ます。歩道には人通りがけっこうありました。
とにかくここでも安全第一。歩行者優先でじりじりとゆっくり進みました。
私の横にはセンターの女性職員と役所から来てくれた障害福祉課の女性職員、そして私の家内という美人3名を引き連れています。
あ、私の家内は美人じゃないけど(笑)。
3名が電動車椅子に座る私に熱い視線を送る中での「路上検定」。この様子は周りの人たちにはどう映ったでしょうか?

路上では、センターの職員がルートをそのつど指示してくれるので、私はそのとおりに路上を走りました。職員はルートの指示だけで、それ以外のアドバイス的なことや注意事項などはいっさい話しませんでした。それだけに、「検査されている」という緊張感が常にありました。

さて、歩道をちょいと走ってから、信号を渡ります。片側3車線ほどもある大きな道路を渡り、向こう側へ。
段差、信号、歩行者、車・・・、あちこちに気を配らなければなりません。

そしてまたしばらく歩道を走ります。ここの歩道は幅が広かったので傾斜が気にならなかったのは助かりました。
そして、また信号を渡って戻ることに。

信号待ちをしているところには僅かに前へ下りの傾斜があったのですが、そこで止まっていると車椅子がじりじりと前へ動いていきます。私がOXさんからお借りしていたモデルには電磁ブレーキと言うものが付いていたおかげで、普通に止まっていても自動的にブレーキが掛かるものなのですが、どうやらセンターのモデルはそれが付いていない様子。一瞬あわてましたが、私はすぐに両輪の手動ブレーキを掛けて事なきを得ました。

2度目の信号も無事に渡り終え、歩道をまっすぐ走ってセンターに戻りました。今度は正面玄関から建物に入ります。
そこに自動ドアがあったのですが、役所の職員に「自動ドアに突っ込んだ人がいたので気をつけて~」と言われていたことを思い出し、最後の関門(?)を落ち着いてクリアして中に入ったのでした。
廊下を進んで元いた部屋に戻り、無事に終了~。
「路上検定」は時間にして20分ほどでしたかね。

部屋でしばらく待っていると、センターの職員が入ってきて「判定は無事に適となりました」と聞かされました。
医師も書類に目を通してOKの判断をしたそうです。

やった~~。
次は製作する車椅子の仕様などについて希望を聴取する時間です。

以下、「その4」に続きます。

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