2008年10月30日木曜日

電動車いすを作ろう その2 ~レンタル車椅子の試乗

電動車椅子を作ろうと思い立ち、希望のモデル入手のための長い道のりを歩み始めました。

どうしても8月中に障害者福祉センターの判定を受けたかったので、私はすぐにインターネットを駆使して、電動車椅子の業者を探しました。
役所へ相談に行く前にすでにいくつかピックアップしていたのですが、いざ選ぶとなると迷いました。
で、その後に注文するか否かはさておくことにして、とりあえず車椅子で大手のE社のショールーム(店舗)に電話して事情を話し、貸し出しが可能かどうか確認しました。私は店に行けばすぐに店頭にあるものを借りられるかと思っていたのですが、電動車椅子は取り寄せなければならないとのことで、本社にきいてみなければならないとのこと。しかし、折悪しくもちょうど本社がお盆の休暇の時期にあたり即答を得られず、休暇明けまで待つことになりました。とりあえず、カタログ一式を送ってもらうことになり、カタログを眺めながら休暇明けを待ちました。
電動車椅子に限らず、カタログを見るのは大好きなんですよね。何を買うにしてもまずカタログです。特にメカフェチ(?)な私は、カタログをはじめネット上の情報などつぶさに調べ上げ、休暇が明けるころには電動車椅子について一通り語れるほどになっていました(笑)。
結論から言いますと、無事にE社から簡易電動型の車椅子をお借りすることができました。
E社では簡易電動型の基本モデルを3種類用意されているんですが、私が希望していた最新モデル(Y○-○)のレンタル在庫が予約がいっぱいだったので、普及モデルのほう(G△-△)をお借りしました。
車椅子の手配ができたので、まずは役所に電話を入れ、判定日の予約を8月下旬の某日でお願いしておきました。

電動車椅子をお借りするE社の店舗は隣の県にあります。隣と言っても、私の自宅からは車で一般道を走って延々2時間近く掛かりました。
さっそく店内で電動車椅子に乗り換えて動かしてみました。最初はすごく怖かったです。時速4.5kmという仕様のものだったのですが、意外と速く感じられました。普通の人がせっせと歩くぐらいの感覚でしょうか。初めのうちは低速で慣らし運転をしましたが、割とすぐに慣れてきて、4.5km/hでも乗りこなせるようになってきました。店長さんの指示のもと、バックによる「車庫入れ」もこなせるようになりました。
とても楽しかったです。自分の意思で自由に動けるというのがこれほど面白いとは!

そのままお借りした電動車椅子に乗って駐車場まで戻りましたが、それを車に積むときが大変でした。家内が同行していたのですが、簡易電動型とはいえ、バッテリを外しても26キロほどあります。それを荷台に入れるのが一苦労でした。これでも軽いほうだということですから、ちょっとお先は真っ暗です。

さてさて、自宅に持って帰ってきたはいいけれど、判定日まであと3日しかありません。さっそく路上で練習を~と思っていたら、雨!!
次の日も雨~!で、まったく路上での試乗ができません。自宅に持ち帰って一度も乗ることなく2日が過ぎ、判定日の前日になって辛うじて曇りになりました。ちょうど地元の病院に行く用事があったので、思い切って家内に同行してもらって病院までGO!
自宅から病院までだらだらした上り坂が続くのですが、電動車椅子だとへっちゃら~。がんがん登っていってくれます。その道は上り坂とはいえ段差などのない路面でまったく問題もなく、また面白くもなく。
で、その日はもう一軒、別の医院に行く必要があったので、また電動車椅子で路上を走っていきました。時速4.5kmのトップスピードで走ると横を付いてくる家内はかなりの早足といった感じになります。なるほど、普通の人は歩きながらこんな風を感じているんだな~などと久しぶりともいえる発見に感動~を味わっているのもつかの間・・・。

横を車がすり抜けていくと怖いのなんのって。車から見ると脇を抜けるのはどうということもないのでしょうけど、こちらは生身。
ぎりぎりのところで走り抜けられると生きた心地がしません。そして、バス通りに出ると、バスが大きいこと! こんなものに近寄らないほうがいいなと思いながら歩道に上がろうとすると、その段差のきついこと! E社の店長さんから段差は斜めに入るほうがよいと聞いていたことが幸いして転倒こそしませんでしたが、ほんのちょっとの段差も簡単ではありません。

そして、歩道の怖いこと! ところどころで斜めになっていますが、ほんの僅かな傾斜であっても車椅子ごとごろんと倒れてしまうのではないかと何度も覚悟しました。普段は気付かないような段差や傾斜がめちゃくちゃ怖かったです。それに加えて、路面の小さな穴や裂け目など気になって仕方がありません。目的地の医院に着いたときにはへとへとになっていました。

その日は駅前の銀行に行く用事があり、電動車椅子で行くにはちょうど良い距離でもありました。
でも、電動車椅子体験にすでにビビりまくっていた私はもう帰りたいと思いました。
「練習、それだけ~!?」という家内の一言で、過酷な試練は続くことになりました(笑)。

やはり歩道は怖かったです。段差と傾斜が恐怖~。段差へのアプローチの判断をちょっとでも誤ったり、通る路面を違えたりすると、常に転倒の恐怖を感じなければなりません。そして、下にばかり気を取られていると、横や上からどんな障害物が出ているかも知れず・・・。
まさに命がけです。
車椅子は道路交通法では歩行者扱いとされているので、歩道が危ないからといってうっかり車道に出るわけにも行かず、また車道に出ても車にすり抜けられるとこれまた危ないしで、ホント大変です。
駅前に行くまでの間、2箇所ほどかなりな下り坂があります。そこを降りられるかどうか勝負をかけることにしました。
転倒覚悟の大冒険です。
ものすごく怖かったです。

でも、おかげで坂道での体重移動のコツをつかむことができました。
銀行の中でも、狭いブースへの進入も経験しましたし、そこからバックで出ることもできました。わずかな時間でしたが、様々な条件を経験して自宅へ戻りました。
自宅まであと少しというところで大雨が降ってきました。ずぶ濡れになりながら、もうちょっと速ければなぁ~と思い始めていました。
そういえば、E社の店長さんが「4.5kmでも物足りなくなってきますよ」とおっしゃっていたのを思い出します。なるほど、こういうことか。

自宅まであと数十メートルというところで、濡れ鼠で車椅子を動かしている姿を見たおばさんが傘をかざしてくれました。ありがたいことです。
というわけで、なんとか電動車椅子の練習を終えたのでした。

以下、「その3」へ続きます。

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