2009年4月22日水曜日

電動車いすを作ろう その11 ~速度変更の判定

レポートがなかなかリアルタイムでお伝えできず、申し訳ありません。
メーカー選定のほうも遅々として進まず・・・。

さて、今日は先日受けてきた判定の報告です。
簡易電動車椅子の速度変更の判定を受けることになり、4月某日、予約を入れていただいた時刻を目指して上級庁のセンターに出向きました。
これまでの日記に書きましたように、今回は時速4.5km仕様のものを6.0km仕様に変更してもらうための判定です。この判定で「適」と認められると、公費の助成を受けて6.0km仕様の簡易電動車椅子の製作に着手できます。

判定当日は良い天気で、暑くも寒くもない絶好の判定日和(笑)。
前回と同じように自家用車で出かけましたが、予約時刻を目指すと朝のラッシュ時に重なるので早めに家を出ました。空いている道を選んだつもりでしたが、案の定ところどころ渋滞していました。
しかし、約束の時刻の20分前ぐらいにはセンター到着。今回は自己所有の自走式車椅子を持参してきたので、それを家内に押してもらって建物の中に入りました。

判定日には日時が指定されますが、予約時刻の10分前には受け付けて続きを済ませるように言われていました。今回は予約時刻の20分前入りなので余裕です。玄関を入って正面にある受付で用件を伝え、備え付けの受付用紙に住所氏名などを記入しました。そして、ほとんど待つことなく名前を呼ばれ、奥の個室に通されました。本来の予約時刻を待たず、予定より10分も早く判定が始まりました。

担当してくれたのは前回と同じ女性職員であり、作業療法士でもあるNさんでした。
「今回は、速度変更ということですね?」 と切り出され、まずは聞き取り調査の始まりです。
私はカバンから例の交差点の調査報告(?)を取り出して待機しました。緊張感が高まってきます。

Nさんは、文字がぎっしり書き込まれたカルテのような物を見ながら質問を投げかけてきます。前回の聞き取り調査のときに作成した書類のようです。そのカルテに今回の私の答えを聞きながら、情報を追加していました。
まず聞かれたことは、いまの体調はどうか、体の状態に大きな変化はないか、身長・体重はどうか、家の環境に変化はないか(改造など)、ヘルパーを新規で使っていないか、通院している病院は変わっていないか、などという基本的なものでした。

そして、いよいよ本題です。
Nさんは「え~っと、近くの○△通りや○○通りを渡るときに、4.5kmだと不都合があると・・・」と切り出してきました。
「ええ、そうなんです。遅いとなかなか渡りきれなくて・・・」
私は、役所のMさんのアドバイスの通り、「特別な理由を具体的に話す」ために、あらためて頭の中であれこれ整理しました。ここで認められなかったらすべては水の泡・・・。

聞き取り調査しているNさんは、カルテに色々と書き込むのに忙しい様子で、ちょっと間が空いてしまいました。
そこで、私はさらに説明を加えようと「○△通りのですね、道幅が広いのと・・・」と言いかけましたが、Nさんはそれを遮るように、「あ、役所のMさんから聞いてますから」とあっさりしたお答え。
私は、それで終わり~?と少々不安になり、ダメ押しをしておこうと手に持った紙(調査報告)をヒラヒラさせて、「いちおう交差点名とか書いてきたんですけど~」と言ってみました。
すると、Nさんはちょっと微笑まれ、「ああ、そういうのはいいですよ~」とこれまたあっさり・・・。

これでいいのかなぁ、大丈夫かなぁ、という私の不安を見抜いたかのように、Nさんは、
「ご事情は分かりましたので、このあと時速6kmの車椅子に実際に乗っていただいて、操作を見せていただきます。そして判定員がOKということになればそれで大丈夫ですよ」と優しく声をかけてくれました。

そして、判定員という男性職員が部屋に入ってきて、同じようなことを優しい口調で説明してくれました。
私はこの判定員という男性職員が路上の操作検分に同行するのかなと思いましたが、さにあらず、結局、聞き取り調査してくれたNさんが付き添ってくれたのでした。

その後、Nさんがセンターの備品を持ってきてくれ、それに乗り移って、いよいよ「路上検定」の始まりです。そこまでで10分と経っていませんでした。
センターの備品(6.0km仕様)は黄色いフレームの派手な車椅子でした。どうやらE社ではない某大手メーカー製のフレームにYAMAHAの電動ユニットを組み込んだモデルのようでした。電動車椅子に座った私にまず、手元のスイッチでトップスピード(6.0km)に切り替えるよう指示がありました。指示と言っても「このスイッチを動かすと変わりますよ」と丁寧に教えてくれました。

「外に出てもらって、前回と同じように信号を渡って帰ってきてもらいます」と簡単な説明を受けて出発。
聞き取り調査を受けていた部屋から廊下を出るまでには、幅がギリギリのドアをすり抜けなければなりませんでしたが、ゆっくり動かして難なくクリア。
たしか前回は廊下をず~っと走って玄関の柱の周りをぐるぐる回ったりしたのですが、今回はいきなりエレベーターに乗り階下に降り、そのまますぐに外へ出ました。前回と同じく正面側に至るかなり急なのぼり坂がありましたが、前回経験済みだったので緊張することもなく、一気に登りきりました。
そうして、センターの門を目指してトップスピードで走ってみました。同伴していたNさんは小走りといった様子で付いてきてくれます。同じく付き添っていた家内は、追いかけるのをやめて呑気に歩いているようです。人の歩く速度に比べると、さすがに6.0kmは速いですが、乗っている本人からすると意外と遅く感じられました。6.0kmを経験すると4.5kmでは確かに物足りなく思うことでしょう。

門を出る直前にNさんの指示が出ました。
門を出て左へ曲がり、歩道の上を120mほど走って信号に至る。交差点を向こう側に渡って歩道沿いに150mほど戻り、また信号を渡ってセンターに戻るというコースを通りました。つまり、前回走ったルートのちょうど逆回転の道のりです。経験済みのコースですが、当日は前回よりも人通りがかなり多く、車椅子に気が付かない歩行者もいたようで、操作にはちょっと気を遣いました。おしゃべりに夢中な女子高生がぶつかりそうになったりしましたが、危険を予測してゆっくり走っていたので、事なきを得ました。

センターの屋内や路上では安全確保の意味からも敢えてゆっくり走りましたが、センターの敷地内(屋外)の空いた場所ではトップスピードでも操作できることを見せるかのように飛ばしてみました。やはり速度が速いと気持ちがいいものです。
帰りは建物の正面玄関の自動ドアを入って、廊下を少し走り、元の部屋に到着。自動ドアに突っ込むこともなく無事に完了でしました。この「路上検定」は時間にして15分ほどだったでしょうか。

すぐに自分の車椅子に戻るやいなや、Nさんは「ちょっと待っててください」と別の部屋に・・・。程なくして例の判定員の男性が部屋に現れていわく。
「いま操作の結果をお聞きしましたが、特に問題なしということで、役所のほうにも連絡しておきます」

やった~~。見事クリア~!
Nさんによる聞き取り調査が始まってから30分ほどですべてが終了していました。

ということで思いもかけず早く終わってしまったので、帰りに役所に寄ることにしました。
ちょうど年度始めで用事もあったし、ついでに色々とお世話になったMさんにも挨拶がてら報告しに行こうと思ったわけです。

さて、勇んで障害福祉課に出向いたのですが・・・。

(注 :内容は一部割愛しています。事前の情報提供や問い合わせなどをしておりますので、上記の内容が判定のすべてではないことをご理解ください。また、障害の部位や等級、その他の環境により、判定内容は変わります。)

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